コロナ禍で迎えたはじめてだらけの共通テストを終えた受験生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
センター試験と最も変更点が多いと当初から予想された英語。これまで、予備校、出版社各社が作成した予想問題、予想模試は、平成29年と30年に大学入試センターが全国の高校生を対象に行った試行テストを土台にしていました。もちろん、私もそのようになるであろうと想像しながら、受験生の対策を行ってきたわけですが、ふたを開けてみると、
「こんなに読めないよ〜リーディング」
一番の受験生を困らせたのは、『圧倒的な英文量増加』でしょう。
センター試験であった発音・アクセント、語彙文法、並べ替えの問題がなくなり、読解問題のみとなるということで、速読即解力が重要になることは試行テストからわかっていましたが、その比ではなかったです。私自身も時間を測って解いてみたところ、
第1問:4分30秒
第2問:13分30秒
第3問;13分
第4問:11分
第5問:12分
第6問:20分
合計74分!
解答時間は80分ですから、ギリギリ…でした
ということは、受験生が、選択肢をしっかりと検討して確信を持って解答できるような英文量・問題数では到底なかっただろうと想像します。
次に、出題方法ですが、一番目立ったのが
英文の情報とグラフや表の情報を統合して答えを導き出す問題
・第1問B=リード文の英語とファンクラブ会員の料金表を比較して解答する問題
・第2問A=リード文の英語とバンドコンテストの評価シートスコアとを比較して解答する問題
・第3問A=本文の英語とホテルへのアクセス方法を示した表にある情報を比較して解答する問題
・第4問=本文の英語、バスの時刻表および、水族館の時間別混雑具合を表したグラフを統合して解答する問題
・第5問=本文の情報をまとめた発表スライドの空欄に当てはめる問題
・第6問B=本文の情報をまとめたポスターの空欄に当てはめる問題
これらの問題は、予想問題や模試でも第5問はそのような問題になることは予想されていましたが、ここまでたくさん出題されるとは思いませんでした。
また、受験生の予想を裏切ったのは、第3問Bと第5問。
第3問Bで出題されるだろうと予想されていたのは、“ブログを読んで心情の変化を追っていく”問題。この問題のアプローチに悩む受験生が多く、私もこの手の問題の解き方を時間をかけて説明してきました。ところがこの問題は出題されず、選択肢の出来事が起こった順番を時系列に並べるというものでした。
そして、第5問では、「偉大な人物の伝記」が来ると誰もが思っていましたが、主人公はまさかの「牛」…拍子抜けでした。
このように、昨年までのセンター試験とは大きく形を変えた共通テストですが、悪いことばかりではありませんでした。
まず、英文の語彙レベルは決して高くなく、読みやすいものが多かったと思います。また、今回のテストでは、「日常生活に即した場面設定」がなされていたので、「いったいこれ何の話?」みたいなものはありませんでした。表やグラフも多かったので、内容を想像しやすかったと思います。第5問の「芸達者な牛」の話も、下手に歴史的背景知識がなかったらまったく分からなくなってしまう偉人の伝記よりも読みやすかったでしょう。さらに、表の空欄に語句を当てはめる問題が多かったおかげで、「ややこしい選択肢」が少なく、答えを絞りやすかったのではないでしょうか。
さらに、試行テストであった、『答えは二つ以上かもしれません。』という問題も、本番では見られず、複数の選択肢から選ぶ問題(二つ選びなさい)は、第5問の問4と第6問Bの問3のふたつでした。
とはいえ、最初に書いたように今回のテストは英文の量が予想よりはるかに多く、焦って英文に集中できなかった受験生がたくさんいたことは間違いなく、平均点の予想は難しくなりそうです。
波乱を巻き起こしそうな今年の共通テスト英語ですが、明日からは、国公立大学出願準備、私立大学一般入試に向けて気持ちを切り替えて次のスタートを切れることを祈っています。
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