今日は国公立大学入試後期日程。クレインの受験生が最後の試験に向き合っています。
大学受験は子どもが自分の人生を切り開いていく大事なステップで、そこに関わることができるのは責任もあり、同時にやり甲斐もあります。
いままさに最後の試験に臨んでいるこの生徒、最終的にどの大学に進むことになるにせよ、実は「すでに成功者」だと私は思っているのです。
なぜなら、彼はこの受験を通して、その後の長い人生において彼を常にいい方向に向かわせ、人生を幸せに送るために必須の力を、すでに獲得したのです。
それは、受験科目を暗記する力でも効率よく正解に辿り着くテクニックでもありません。大学受験の勉強で覚えたことは、終わってしまえばほとんど忘れてしまいます。私自身、あんなに得意だった日本史の詳細な知識も、国語の古文単語や文法も、一年後にはびっくりするくらい思い出せませんでした。暗記しただけの知識とはそんなものでしょう。
一方、彼は人生で成功するための、と言えば大袈裟かもしれませんが、そのくらい大事なものをこの受験を通して身につけました。
彼は平均評定が高かったので、指定校推薦で早々に合格をもらうこともできたのに、それには見向きもしませんでした。
自分のいまの学力で受かりそうな大学を受けて自分に保険をかけることもありませんでした。
前期試験が不合格だった時、すでに合格をもらっている難関私大へ進学するという妥協も許しません。
卒業式が終わり、多くの同級生がもう受験のことは過去のことになっている中で、後期試験まで目を逸らすことなく受験勉強に専念し続けたのです。
私は長く大学受験生を見てきましたが、彼のような生徒は稀だと思います。大学受験から一刻も早く解放されたいという気持ちで早く合格ができる方法を選択する生徒は少なくありません。たとえ判定が悪く合格が厳しいとわかっていても、不合格を突きつけられると誰でも気持ちが落ち込み、それ以降のモチベーションが下がってしまうことはよくあることです。セカンドベストで甘んじること、自分が望まなくても置かれた環境で我慢する、ということは、高校生だけでなく、大人の私たちにとっても、いたって普通のことかもしれません。
でも彼は違います。
自分の理想を明確に描き、たとえ多くの人が望まない道であっても、自分できめた道を進もうとします。そして、どんな時も前を向き、懸命に努力を続けます。
そんな彼を見て、私は「彼がどんな道に進んでもきっと大丈夫」と思うのです。
受験を通して得られる本当に大事なチカラとは何か?
それは、
「自分の道は自分で決められるチカラ」
「ふたつの選択肢があったときに、より困難な道を選べるチカラ」
「逆境に負けずポジティブに前進し続けるチカラ」
なのではないでしょうか。
今日、大学受験は一旦終わりました。
この生徒を含めてクレインで担当させてもらったすべての大学受験生たち、本当にお疲れ様でした。
大学受験という人生を左右する挑戦が、君たちのその後の人生を豊かにし、幸せな人生を歩んでいけるよう心から祈っています。
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