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執筆者の写真原田貴之

本当に将来に役立つ力とは何か?

今日は新聞記事の紹介です

とは言っても、クレイン英学校の話ではなく

私の自宅の近所にある日進市立日進西中学校2年生の話題


今朝の中日新聞の記事で紹介されていたのは、

先週の10月2日、「スペシャルデー☆」と銘打った特別企画


実に驚くべき内容なのです


“午後から登校した生徒たちは、

まず校区内4キロを舞台にしたウォークラリー「リアルストリート謎解き」を行い

暗くなってから、暗闇の校内で肝試し

懐中電灯一本と地図を頼りに校内を探索

廊下にはマネキンの首やかつらが転がり、「お化け」まで出現!

そして最後は校庭でキャンプファイアを囲んでしクラスごとにダンスを披露”したそうです


なんと壮大な行事なんでしょう!!


きっかけは、毎年中学2年生で実施される2泊の野外活動の中止でした


「生徒たちはそれぞれ実行委員会を組織して準備を進め、楽しみにしてきたため、

教諭たちはできることを模索。生徒たちと一丸となり「スペシャルデー☆」を企画した」


先生、生徒ともに見事あっぱれではありませんか!



日本全国でイベントが中止・延期され

たくさんの楽しみが奪われてきました


学校が休校になり、そして夏休みが短縮になり

生徒たちにとっては悲しいことばかりだったこの半年間


なんとかして、楽しみを作ってやりたい

と考えた大人はたくさんいると思いますし、

自分たちの学校生活をなんとか良いものにしよう

と行動してきた生徒たちもいたと思います


しかし、総じて


「コロナだから止むを得ない…耐え忍んでここまでやってきた」


というケースが多いのではないでしょうか


これまで学校に勤めてきた私からすると、

この壮大な企画を実行するのは並大抵のことではなかったと思います


というのも、

このような企画を思いついた場合、

以下のような反対が教員、保護者、教育委員会から出てくるのが

容易に想像できるからです


「なんで、2年生だけなの?1年生と3年生がかわいそう」


「他の市内の中学がやらないのにこの中学校だけやるのは不公平」


「これをやってコロナがでたらどうするの?」


「校内で肝試しなんてやって怪我したり設備を壊したらどうするの?」


「何かあったら誰が責任取るの?」


・・・etc


学校に対する風当たりが強い昨今

リスクを負って行動を起こす選択を取る学校は非常に稀だと言えるでしょう


そのような中で


「先生や子どもがすごく工夫をしてくれて感謝の気持ちでいっぱい。

 子どもたちの笑顔が見られて幸せでした」


という校長先生には心から尊敬です



これから先大きく世界が変わっていく世の中で

学校が提供すべき、学校でしかできない教育とは何でしょうか?


それは、少なくとも遅れを取り戻すための授業ではありません

知識の注入は、学校でなくてもオンラインで十分可能です


そして、他がやらないからうちもやらないという横並びの考え方を教えることでもありません

スティーブ・ジョブズも豊田喜一郎も、社会変革を起こした人たちは総じて

誰もやってないことを誰よりも先にやった人なのです


日進西中学校の取り組みは、学校だからこそできる、将来の子どもたちに必要な力を養う活動だったと言えます。


その力とは、


✔︎ 苦境をチャンスに活かすアイデアを生み出す力


✔︎ その実現のために教員、生徒、保護者、近隣地域を巻き込む力


✔︎ そしてリスクを負ってでも行動を起こす力


です


この学校の生徒たちは、


「2020年、コロナで何もできなかった一年」


を一転


「2020年、コロナの中だからこそできた特別な一年」


に変えてしまいました


こんな貴重な経験をした生徒たちは

将来同じような困難に出会ったときにも

今回の取り組みを通して学んだことを活かして

乗り切っていくどころか、

ピンチをチャンスに変えていくことでしょう


これに続いて、もっと多くの学校が生徒とともに

ワクワクするようなチャレンジを創っていってくれることを願っています








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