終戦から75年を迎えた今日
追悼全国戦没者追悼式は
コロナ禍で式典を大幅に縮小して行われたそうです
広島や長崎も同様でしたが
75年という節目の年に
その場に居合わせ、手を合わせることができず
残念な想いをしている人も多いのではないでしょうか
これは、比較にはならないかもしれませんが
生活が一変し、これまで当たり前だった価値観が
すっかり変わってしまう、という点では
このコロナで私たちが経験していることと
戦争に向かっていった過去の日本人が経験したことは
少しだけ似ているのかもしれません
さて、突然ですが
来年1月はじめての大学共通テスト英語では
これまでとは随分と形式や問題が変わります
その中に、長文読解問題の「事実」と「意見」の区別を問う問題があります
この事実と意見の区別は
クリティカルシンキングでは欠かせない能力で
クレインで使用するケンブリッジ大学出版教材には、
どのレベルの教材でも必ずこのタスクはあります
事実と意見を見分ける問題に対するアプローチは以下の通り
事実=誰が見ても同じ(はず)、客観的な出来事
意見=それぞれの人の解釈によって異なりうる主観的なもの
例えば、
「日本が真珠湾を奇襲した」
「先の戦争で310万人の日本人の命が失われた」
「1945年8月15日は日本の終戦の日である」
というのは事実
それに対して、
「核兵器が憎い」
「戦争放棄の憲法を変えるべきではない」
というのは意見である
注目するのは
事実は、「断定」「数字」が多く用いられ
意見には、「形容詞と「助動詞」が用いられることが多い
このようにして選択肢を吟味すると
この問いには案外、簡単に正解できる
しかし現実世界では、そう簡単にはいきません
いつの時代も、意見の相違によって対立や戦争が起こっています
クレイン英学校で英語教育を通して伝えたいことは
英語を通して世界の人々と関わり
「事実」を正確に理解し、
国や立場によって異なる「意見」があることを知り、
それを受け入れた上で
どうすれば平和を実現できるかをみなで追求することです
「あのとき、戦争に従事した日本人もそうでない人も
誰かのこどもで、愛する守るべき家族がいた」
ことは事実
そして、
「あのような悲劇が二度と繰り返されてはいけない」
というのが私の意見です
今年、様々な戦争に関する式典が縮小されていますが
その一方で、様々な活動がオンライン配信され
私たちはその場に行かなくても
戦争について学んだり
平和を考える機会が得られるようになりました
私が講師をつとめる名古屋外国語大学では
ワールドリベラルアーツセンターのYouTubeチャンネルにて、
加賀乙彦の「戦争」朗読劇『永遠の都』を期間限定で公開します
暑い夏、
戦争のない平和な世界を願って…
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