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  • 原田貴之

西海岸の風吹くロサンゼルス〜UCLA、LA教育委員会

タルサから国内線で4時間、日本とは時差が16時間、ニューヨークに次いで2番目の大都市ロサンゼルス。



飛行機のタラップを降りた瞬間、一同から出た言葉は「寒い!」きっとカラッとした暑さが迎えてくれると思っていたので意外なロスのスタートだった。そしてこれまでと違ったのは空港を出てから迎えが来るまでに20分近く待ったこと。ロスは交通渋滞がひどいと聞いていたが、本当にその通りで、平日の夜9時にも関わらず5車線もあるハイウエイが渋滞で動かないほどだった。

ホテルはウエストビバリーヒルズにあるカリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(UCLA)の真ん前、大学のホテルだから質素だろうと思っていたが、いい意味で予想を裏切り、これまでの宿泊ホテルで最も高級なホテルが私たちを迎えてくれた。






翌朝、6:45に朝食とWhole Foods Marketを求めてホテルを出たが、すでにUCLAやUCLA病院に向かう人たちが大勢歩いていた。周囲にはヤシの並木道にレストランやカフェが立ち並び、多くの車やいろんな色のバスが行き交い、同じ都会でもD.C.とは違う賑わい方だ。

実質2日しかない初日はUCLAからスタート。


広大な敷地には伝統と歴史を感じる校舎群とともに70を超える芸術彫刻、二つの美術館に植物園、そしてUCLAのTシャツやキャップを身にまとう学生たち、ここにはまさしく名門の空気が漂っていた。


最初に対応してくれた日本研究センターの河野氏からは、ご自身の子どもの話を通して、ロサンゼルスの小学校ではバイリンガル教育が盛んであること、そしてUCLAの留学生は中国人と韓国人が圧倒的に多く、日本人はこの15年でめっきり少なくなってしまったことが話された。日本人留学生の減少に対する懸念は国務省や日米文化交流財団でも伝えられていたが、ロスでも同じ状況のようで、彼女によると原因は、留学しなくても就職に困らないからではないかということだった。


次にUCLAライティングセンターを訪れた。ここは5人ものスタッフが対応してくれ、学部生用プログラム、大学院生用プログラム、サマーセミナーについて説明があり、ライティングスキルの向上のためのアドバイスを聞くことができた。英語で自分をできるだけたくさん表現できるようになることを念頭に入れ、評価ルーブリックでは内容・構成に重点を置く。ファーストドラフトでは採点をしない、もしくはするにしても5〜10%にとどめ、あくまで完成までのプロセスを大事にする。ある程度慣れて来たら、英語特有の表現方法、文と文の繋がり、段落と段落の繋がりを意識した文章構成、アカデミックライティングのための引用方法など、書く技術を高めていく。興味深かったのは、現地生、留学生に関わらず1年目に共通のAnalytic Writing Placement Examをパスしなければならないそうで、英語のネイティブでもアカデミックなライティングはきちんと訓練しないと書けず、ネイティブ、ノンネイティブはあまり関係ないということだ。本校のアカデミックライティングでもここで聞いたことを参考にしていきたいと思うし、実際にUCLAを訪問し名門大学の雰囲気を感じさせてみたい。



午後は、ダウンタウンにあるロサンゼルス教育委員会。名古屋市の河村市長が毎年訪れ有意義な意見交換をしているそうだ。ここでは2032年までの達成目標に全児童にバイリテラシーを提供することを明言している。その具体的手段として、Dual Language Programをスペイン語、韓国語、中国標準語、フランス語、アラビア語、アルメニア語で提供している。1日にうちに1時間はバイリンガル授業を実施するように指示しており、また3段階の実施方法があり、そのうちの一つは、英語ネイティブと英語学習者(例えばスペイン語母語)を混ぜ、一つの授業では英語、もう一つではスペイン語で授業をし、どちらの生徒も2言語学べるというものだ。このバイリテラシーの基本にあるのは、「母国語と母国文化を大切にしてほしい」という理念で、これはWorld Englishesの考えた方に一致しており大変共感できた。また二か国語を話せることによる認知的優位やグローバル企業での活躍の期待など、様々なデータが一冊にまとめられたMaster Planという、Osage文法書ほどではないがが重量感のある本を頂いて来た。今日本にやってくる外国人児童は、日本語しかない教室に放り込まれるしかない場合が多く、言語習得も母国語の尊重も十分に考慮されていない。ロスの小学校での実践はそういった児童や家族が日本で成功していくために大いに役立つことだろう。





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