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2022年の春節とパラダイムシフト

大学入試は共通テストが終わり、いよいよ私立大学一般入試が本格的に開始、そして国公立大学入試の出願締切りが迫り、クレインの大学受験生たちと日々向き合う今日この頃。Facebookを開くと、海外の友人たちの「新年快楽」とたくさんの投稿が。


そうか、今日は「春節」だ。

春節とは、太陰暦(中国暦)の正月のこと。太陽暦の1月1日とは違って、毎年その日は違います(ちなみに去年は2/12、来年は1/22だそうです)


実は恥ずかしながら、私は海外で生活するまで旧正月の存在すら知りませんでした。オーストラリアで生活しはじめて、中国出身の留学生や、ベトナムから移住したオーストラリア人の友人との交流の中でその存在をはじめて知ることとなりました。



2009年の春節。大きな通りが歩行者天国になっていて多くの露店が並ぶ


夜にはお寺へお参り。日本のものと比べて随分大きな線香をささげる


爆竹を鳴らして邪気を追い払う風習。これがものすごい爆音なんです


春節の目玉、ドラゴンダンス。圧巻のパフォーマンス!




生まれてから広島〜大阪〜京都〜愛知に暮らし、その存在を30年近く知らなかった春節。


実は日本でもつい最近の明治5年(1872年)までは、太陰暦にしたがって春節を祝っていました(沖縄では現在でも春節を祝っています)。

明治維新が起こり、欧米の文化を吸収する中で起こった急激な方向転換です。


そんな春節を通して、考えるふたつのことがあります。


まずひとつは、明治政府が太陰暦から太陽暦に転換するといった、社会全体の認識や価値観の急激な変化をパラダイムシフトといいますが、いまの私たちもそういった歴史の転換点にいるのかもしれないということです。コロナ禍で日常生活は一変し、これまでなかったことが「ニューノーマル」として生活に浸透しつつあります。コロナがおさまっても人々はマスクを一年中着用し続けるかもしれないし、仕事では出張することはなくなりオンラインで済ませるのが当たり前になるかもしれません。大人数で集まるよりも、できるだけ個人や少人数で過ごすことを重視するようになるかもしれません。どちらがいいというのではなくて、時代が大きく変化していくということを実感するのです。


そしてもうひとつは、世界には私たちと違う時間軸で生きている人たちがいるということ。宗教観は特にそうですが、日本だけにいると、自分たちの考え方や習慣が世界の常識と勘違いしがちです。そしてそれが、異文化理解の妨げになり、偏見や紛争のきっかけになることがよくあります。

でも、海外で暮らし、いろんな民族や人種のなかで生活すると、日本人の私が持っている価値観はたくさんある中のひとつでしかないと気付かされました。自分を相対化することで、異なる考えや生き方の人々に対して、「そういう考えもあるなぁ」とか「こう言われているけど、立場が違ったらどうだろう」と想像して、いろんな見方ができるようになります。

私はこれが海外留学をする大きな意義だと思っています。


そんなことを考えつつ...

早く海外に自由に飛び立てる時が戻り、あのダイナミックでアクロバティックなドラゴンダンスと、耳を劈くような爆竹の音を、間近で見れる日が来るといいなぁと心待ちにしています。

新年快楽〜〜

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