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  • 原田貴之

【英語のテスト】そろそろやめましょう、完璧主義



先日行われたある中学2年生の中間テスト


採点された解答用紙を見てがっかりしたのは、


生徒の点数ではなく、テスト作成と採点のほう



英語教育改革がスタートしてもう5年が経ち、


「4技能を育成する英語教育」


「実践的コミュニケーションのための指導と評価」


について、国レベルでも学校レベルでも多くの試みが行われている中


私が中学生だった25年前とほぼ変わらない指導をし、テストをする現実が…



テストは大きな波及効果をもたらします


テストが学習者のモチベーションを上げたり下げたり


時には人生が大きく左右する…そんな大きな影響力を持っています


だから、教師はその重要性と影響力を十分に理解した上で


適切なテストの作成および採点をする必要があります




今日のお話は、英語学習者というよりは、教師および教師を志す人たちに


読んでもらいたい内容です。


ふたつの問を取り上げます



問題1:パークレンジャーになりたい少年についての会話文を受けて

    What does Tom need to do? (主語や動詞を入れて答えなさい)


生徒の答え:He need to see many real trees in the world.


問題2:橋を作った大工についての英文を受けて

    When did Pat finish his work?


生徒の答え答え:He finished bridge at sunset.



いずれも、ゼロ点



「ちょっとでもダメなところがあると全部ダメ」


という考えは、英語のみならず日本の教育の大きな欠点ではないでしょうか


私は多くの英語学習者と関わっていますが、この中学2年生で完璧が求められる


3単現のSや、目的語の代名詞を英作文で完璧に使いこなしている人を


ほとんど見たことがありません


英語圏の高校に3年間通った帰国生も、東大に現役合格した生徒も


十分に起こしうるエラーです



この生徒は英語は得意ではないけど、英語がとても好きで


英検にも自らチャレンジをし、


クレインでは多読用の洋書を自分から進んで読み、読み終えては次の洋書を借りていきます


これからどんなふうにこの生徒の英語の世界が広がっていくのかとても楽しみです



しかし、英語のテストで問答無用に(ある意味理不尽に)バツをされると、


「自分は英語ができない」が先に来てしまいます


それはこの生徒の将来にとってとてももったいないことであり、残念です



「そんなこと言ったって、できる子はいる。バツでも仕方ない」


「できるようになるまで何回もやりなさい」


という声もあると思いますので、


この件についての問題点を少し専門的に指摘します。



まず、テスト理論には「妥当性」というものがあります。


妥当性というのは、「教科書の学習目的を達成できたかを適切に測っているか」ということです


例えば、問1や問2は教科書本文の問題ですが、


その目標のメインは本文内容を理解しているかということであり


「いつ」「だれが」「何をした」といった5W1Hの問いが中心になります


生徒は、問1の「何を」に対する正しい答え、"many real trees in the world" を


答えられているにもかかわらず


問2では「いつ」に対する正しい答え、"at sunset"を


答えられているにもかかわらず、部分点もなくバツです


理由は?


問1 3単現のsがついていないから?


問2 目的語の代名詞 it を使えてないから?


とすると、


「本文内容の理解」を確認するための5W1Hの質問があるのに、


採点では、その目的とは違う「特定の文法の出来」にすり替わってしまっています



というわけで、この2つの解答に対するゼロは


決して生徒だけの問題ではないのです




いつまでも3単現のSに囚われ、


英語が苦手と思い込ませる英語教育から一刻も早く脱却し、


英語を通して世界を学び、世界を広げ、


英語で自分のことを発信できるようになる


そんな英語教育へと変わっていくことを願っています













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