昨日、萩生田文部科学大臣の
「英語教員の指導力向上のため、教職課程に海外留学導入を検討したい」
という考えが発表されました(NHKニュース)
いろいろと意見はあるでしょうが、
個人的には、私はこの考えには賛成です
私は大学時代に留学したいと思っていたものの
当時塾講師のアルバイトを優先し、
一度も学生のうちに海外に出ることはありませんでした
幸運にも新卒で大阪の私立高校に専任採用され
英語教員として6年間勤めたのですが
自分の英語力や経験のなさから、
「このまま教員をしていても生徒に与えられるものがない」
と思い、仕事をやめ、オーストラリアの大学院に留学を決意しました
私が学んだモナッシュ大学のTESOL修士課程の入学には
3年間の教職経験が必要だったので、結果的には良かったのですが、
それでも、
「学生のうちに留学していれば…」
という思いは今でもあります
文部科学省による平成30年度「英語教育実施状況調査」によると
CEFR B2レベル(英検準1級)相当以上のスコア等を取得している英語担当教師は
中学校で36.2%
高等学校で68.2%
です。
近年、海外での生活経験のある子どもがますます増え、
中学生で英検準1級取得をする生徒がいることも、決して珍らしいことではなくなりました
そう考えると、上記の中学校の英語教員の半分以上が準1級を持っていないのは大問題です
そして、一旦教職についてしまうと、日々の業務に忙殺され
「英検の勉強をする時間なんてない」
となってしまいます
ですから、学生の間に1年間程度の留学する機会を金銭的なサポートも含めて
大学が保証するというのは意味のあることだと思うのです
さらに、英語教師に求められるのは、英語力だけではありません
以前のブログでも書いたのですが、
英語ができるようになるだけであれば、留学は必ずしも必要ありません
インターネット上にリアルな英語が溢れていますし、
オンライン英会話を利用すれば、手軽にネイティブ講師と英会話もできます
ただ、
・ことばや文化の違う場所で不便さを感じること
・外国でマイノリティとして生きること
・常識の違う人々との関わりの中で、多様な価値観を知ること
・日本で当たり前のことが世界的にはとんでもなくスゴいことだと気づくこと
・世界の美しい自然に触れること
・コミュニケーションのためにことば以上に大切なものがあることを学ぶこと…
これは、留学してはじめてわかるものなのです
そして、夢と希望に溢れ、思考も柔軟な20歳前後のときに
このような機会を持つことは、とても貴重な経験です
新型コロナウイルスの感染が収束し、
英語教員を目指す多くの学生が世界に飛び出していく日がやってくることを
願っています
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