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第1回オンライングローバルセミナーありがとうございました

更新日:2020年9月30日

昨日9月27日午後3時より約2時間

デンマーク在住の石橋 明子さんによる講演が行われました

現地は午前8時、ちょうど朝日が登り始めた時間帯で

日本との時差を感じさせました


新型コロナウイルスの影響でいろんなことができなくなった一方で

こんなふうに、

地球の裏側とオンラインでつながって

参加者のひとたちも日本中から(海外からの参加者も!)話を聞くことができる

ようになったのも事実です


このオンライングローバルセミナーの企画を思いついた

その瞬間に頭に浮かんだのが明子さん

世界に興味を持つ人たちにとって間違いなく面白い話になるだろうし

何よりも、私自身が彼女の話を聞きたかったのです


"Life is a Wonderful Adventure"


というタイトルに体現される彼女の人生は

ワクワクで、ドキドキで、ジーンとして…

まるで映画を見ているような90分でした


まず、彼女が暮らすデンマークの話を伺いました




とても興味深かったのは、デンマーク人と日本人の

「調和の取り方」の違いです


日本人は、同じスタンダードにみんなが合わせることが和を重んじると考えますが

「自分を大切にするから、他者を大切にする」といって、

個性を認めることによって調和を図る国民性なのだそうです


さらに、社会保障が充実しているため

「いくつになっても、やり直しがきく」のがデンマークのようで

一度社会に出てから、全く別の分野の勉強をして仕事を見つけることも珍しくないようです


こういったことは、Self Esteem(自己肯定感)が低いと指摘される日本の教育にとっては

とても大切な視点だなぁと感心しました



セミナーのメインでは

人生におけるCritical Incident「重大な出来事」を軸に語ってもらいました





小学生の時に教科書で出会った、赤十字創設者のアンリー・デュナンに影響を受け

そして、マザー・テレサの伝記を読み

看護の道を志した明子さん


教育に携わる私にとっては、

幼少期の出会いがいかに人生に大きなインパクトを与えるか

そして、子どもの頃にいろんな経験をさせてあげることがいかに重要かを感じました


明子さんは、中学生でストリートチルドレンの写真をたまたま見かけ

「生まれた場所が違うだけで、こんなに豊かさに差があっていいのか」

という疑問を持ち、国際的な人道支援に目覚めます


そして、晴れて赤十字の看護師となり、派遣されたジンバブエでは


HIV感染者やその家族、ボランティアの人たちの底抜けに明るい人柄に驚きます



その一方で、お金がないために命を助けられないといって悲嘆に暮れる家族を目にした時


「貧困がもたらす精神的苦痛がどれほど残酷なのか」を感じるとともに、

「自分ひとりがやっていることは果たして意味があるのか」と


大きな壁に打ち当たり、自問自答するようになったそうです



この出来事はもう10数年前のことなのに、

今でも思い出すと感情がこみ上げてしまう…


その経験は私たちが想像できないような大きな衝撃だったことでしょう


それでも、美しい大自然に癒され、アフリカの人々の強さや優しさに後押しされ

彼女は国際保健の分野を専門的に学ぶことを決意し、

オーストラリアのモナッシュ大学へ留学します


私はそこで明子さんに出会ったのですが、

昨日のセミナーでお話を聞くまで

これらの経験については恥ずかしながら知らずにお付き合いさせてもらっていました


彼女の持つ、人を包み込む優しさや温かみの土台には

こういった壮絶な体験があったのだと感じました


オーストラリア留学を経て

国際協力機構のJICAでジュニア専門員となった明子さんは

エチオピアを訪れます




女性に対する軽視に立ち向かいながらも、

コミュニティの未来の健康や保健を支えるため、

地方行政の会議や交渉の場に同席し、

大事な決断の手助けを行ってきたそうです



ジンバブエでのつらい体験から、貧困という壮大な問題に

自分ひとりのちっぽけな働きに果たして意味はあるのか?という不安を乗り越え

世界各地で活動する力を与えたのは

マザーテレサの言葉でした


「私たちの働きは大河の一滴かもしれません。

でも大きな海も、その一滴がなければ大海にはならないのです」


この言葉は、どんな分野であれ、学生であれ社会人であれ

何かにがんばっている全ての人に当てはまる

大切なメッセージではないでしょうか。



セミナーの後半では、事前に参加者の方よりいただいた質問に答えてもらいました



海外生活や外国語に対する不安に対して、


「均一な価値観を求める日本と違って

多くの民族で形成される外国では価値観が多様化しているので、

常に他者や社会に合わせる必要がないから自由ですよ」


と笑顔で答えるのを聞くと、


何かにつけて、他人と比べてため息をつくことからは

何も生まれないんだと気づかされます


仕事や、結婚などのキャリア選択については、


「誰かのために自分を犠牲にして…なんて考えない方がいいですよ。

そうじゃなくて、自分がどうしたいのかっていうのをしっかり考えて

納得したら、どんな選択でもいいと思います」


「あと、これをずっとやらなきゃいけないというのも違うと思います

人生の過程で、優先順位が変わることもあるし

それは自分自身がアップデートしているということじゃないですか」


海外でたくさんの経験をしてきた明子さんから

さらっと言われると

自分が悩んでいたことって、実はそんなに大したことじゃないのかも

と思えてきました


彼女は最後に、こう問いかけました


「今から何でもできるとしたら、何がしたいですか?」

「今からどこでも行けるとしたら、どこに行きたいですか?」

「今から誰にでも会えるとしたら、誰に会いに行きますか?」





"Choice is Yours"


自分がやるかやらないかは、自分次第

チャレンジは乗り越えられるもの

お金がない、時間がない、英語ができない

こと自体はチャレンジではないかもしれません



明子さんは一貫して、

自由な心を持ち、自分の人生を自分で決めて将来を切り拓きながら、

一番近くの大切な家族も、遥か遠いアフリカの人々にも愛を注ぐ

そんな広い心を持った女性でした


クレイン英学校の「英語教育を通して世界平和に貢献する」

という理念に対する感慨深い答えを


紹介していただいたマザーテレサのことばからいただいた気がします


"What can you do to promote world peace?"

「世界平和のために何をしたらいいですか?」


 −"Go home and love your family"

 「家に帰って家族を大切にしなさい」


いちばん身近な自分自身、そしていつも側にいる大切な人

を大切にすることから

すべてがはじまるのでしょう…




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