top of page
執筆者の写真原田貴之

第2回グローバルオンラインセミナー驚きと感動の2時間

更新日:2020年12月19日

先日、第2回オンライングローバルセミナーが開催されました。今回の講師はカタール国営航空客室乗務員の平松真依さん。文字通り「目から鱗」の素晴らしいストーリー





◎世界一富豪の国カタール

自己紹介のあと、はじめに語ってもらったのはカタールのこと。私自身、アラブの国は未知の世界でしたので、秋田県ほどの大きさしかないこと、住人のほとんどは外国人が多いこと、空港のど真ん中にある7億円のテディベア…想像できないような世界が広がっていました。





◎YOLO

小学生の頃から憧れていたキャビンアテンダント。世界のいろんなところに行ってみたい!と思っていた平松さんが将来を進路を考えるときに、大切にしていた言葉が、


YOLOとは 、"You Only Live Once「人生一度きり」"


せっかく希望するならと挑戦したカタール航空、世界一の航空会社の採用試験を見事突破したのですが、海外でしかも中東で暮らすことができるのか、大学も卒業していないのに就職してしまっていいのかと自信がなくなり躊躇っていたそうです。


そんな時に、採用担当者から伝えられた言葉


「あなたの後ろには600~700人が泣いている」、「どれだけでも成長できると信じている」




世界1のエアラインで働く覚悟と信頼に応えたいという気持ちに後押しされて入社を決意。





◎イスラムと生きる

私もイスラム世界のことを少しは知っているつもりでいましたが、カタールで暮らす平松さんから聞く話は、「そうなんだー」と目を丸くするような話ばかり。女性が腕や脚を露出しているとモールにも入れない、警察に注意されるということ。15メートル置きに設置されているというスピーカーから、朝4時にコーランが大音量で流れること。また、ラマダン(断食)の期間は、イスラム教でない平松さんの生活にも影響が大きく、外で水を飲むこともできない、お店が閉まるので銀行に行ったり買い物することもできない…などなど





飛行機の中でもアラブワールド。お祈りしているのか寝ているのかわからなかったり、一夫多妻の複数の奥様への接し方、さらには富の象徴とされるタカが人間と同様に搭乗してくるなど、私たちからは想像できないアラブ世界ならではのストーリーには、参加者からも驚きと笑顔が溢れました



◎英語学習について

平松さんがカタール航空のクルーとして最初に苦労したのが、国ごとの英語のアクセントだそうです。13,000人もいるという多国籍のクルーの中では、全く違う言語に聞こえるアクセントの強い英語に慣れるまで失敗の繰り返し。でもわからないは許されない世界、「涙も枯れる地獄のスピーキングトレーニング」をくぐり抜けて英語を身につけてきたそうです。そして、世界の様々なアクセントに触れる中で気づいたことは、


「世界にあるのは、私の英語でもなく、彼の英語でもない。相手に伝わる英語」


私の専門領域であるWorld Englishes(世界諸英語)では、この能力は"Intelligibility"と呼ばれ、コミュニケーションの不可欠な要素であると考えられています


平松さんの英語アウトプットのトレーニングはとてもユニークなものでした。重視したのは、「独り言」。なんでも身の回りにある言葉を瞬間的に英語で口ずさんでいたそうで、時には、家族が話している日本語を聞いて、すぐに同時通訳。とにかく英語をアウトプットする練習に励んだとのこと。また、英語はうまくしゃべれないけど、他のクルーが遊びに出かける時は一緒に付いていき、実際の会話の場面から、学校や本では出てこない表現を身につけていきました。


平松さんの英語トレーニングのストーリーから


英語は一朝一夕に使えるようになるわけではない


ことがわかります。私自身も、オーストラリアに身を置き、意思が伝えられず惨めな思いをしたり、不利を被ったりという経験の中から、「なにくそ」と英語を必死で学び実践する日々が続いたのを思い出しました。



◎日本人らしさと自分らしさ

グローバルな世界で生きるということは、ただ単に語学ができればいいというわけではないということも平松さは語ってくれました。「日本人は勤勉で大人しい」というステレオタイプで見られることが多く、日本人なら言うことを聞いてくれると思われてしまい、クレームをつけてきたり、クルー同士でも仕事を押し付けられたりすることも。また逆に、「日本好き」と気軽に言われると、自分ではなく日本人としての自分と見られているようで、一時期は「日本好きアレルギー」になったほどだそうです。その一方で、自分自身もアラブ人・インド人だから…といったステレオタイプで他者を見ていることに気づき、そんな中から





「違いを違いとして受け止めること」、「自分らしくいること」の大切さ


に気づいていきます。海外で生活する上ではカルチャーショックは避けて通ることはできません。でも、それを経験することで、生きる上で大切な視点を身に付けることができるのです。


◎世界を飛び回る激務とストレスの中で


文字通り世界を飛び回り、生活も不規則な客室乗務員。しかも世界一のサービスを誇るカタール航空では、搭乗前のブリーフィング時に、ニキビやあざがあるだけでも搭乗することができない超シビアな世界。そんな中で、自分の体調を管理する秘訣を教えてもらいました。





「自分のことを理解する」、「自分を甘やかしてあげる」、「感情的になりすぎないこと」


自分のことは自分しか守れない、ちょっとでも油断をしたらすぐに降格になるというストイックな環境で生きているからこそのことばでしょう。


さらに、多国籍な人たちと仕事をする上では、宗教や政治の話は地雷になりやすいため、世界情勢には敏感になり、むやみに深入りしてはいけないこと、知らない外国人ともすぐに仲良くなれる各国の鉄板ネタをもっておくことなどグローバルな環境で生活するヒントも伝えてくれました。



◎衝撃の出来事と人生のメッセージ


そんな平松さん、忘れられない思い出がありました


客室乗務員であるということは、ひとの命を預かっているということ、

日本人スタッフであるということは、ただの通訳ではなく、日本人乗客にとって最後の頼りの綱のような存在であること…



いまでも涙なしには語れないそんなシーンを想像するだけで、心が痛くなりました

平松さんの凛とした立ち居振る舞い、ひとつひとつの言葉にある重みは、数々の試練を経験し、乗り越えてきた証なのだと納得できました



セミナーの最後に、平松さんから参加者の皆に伝えられたメッセージ





"The sky is opened for everybody. But, all has limited only by your imagination."

「空は誰にでも開かれている。そこにブレーキをかけるのはあたなの想像力だけだ」


"Pilot has to land a place where they decide 5 minutes ago."

「パイロットは五分前に決めたところに着陸するしかない」


図らずも、第1回の石橋さんのメッセージ、"Choice is Yours."と同じく、


“人生は自分次第”


これが世界を股に掛ける平松さんが選んだ言葉でした。


そして、いつ何があってもいいように常に努力を続けていなければいけないということは、全ての年代のすべての人に当てはまる大切なメッセージではないでしょうか。


コロナ禍で揺れる航空業界、そしてまだまだ先の見えない留学や海外旅行。そんな中で世界を目指すきっかけを作れないかという想いで開催した今回の第2回オンライングローバルセミナー

力強く生きる勇気と、そしてまたいつか海外に行きたい!と背中を押してくれた平松さんのストーリーでした




















閲覧数:186回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Комментарии


bottom of page